
「売り手市場なのに転職先が決まらない…」
「年収が上がる転職先が見つからない…」
「全然内定が出なくて落ち込んでいる…」
このような方に向けて記事を書いています。
結論からいうと、売り手市場が当てはまるのは、一部の優秀な人材だけです。
その理由は、企業側のホンネが「人材は必要だけど、欲しい人材が見つからない」だからです。
優秀な20代にとっては売り手市場といえますが、スキルも経験もない普通の20代にとっては全く関係のない話なのです。
この記事では「売り手市場は嘘なのか?」について解説していきます。
3分で読める内容なので、それではいきましょう。
※『今すぐに転職して人生を変えたい!』という方は、以下の記事を読むほうが早いかもです。
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この記事の目次
売り手市場は嘘!適当に就職活動すると底辺に転落する理由
dodaの転職市場予測によると、2020年の上半期(1月~6月)の企業の採用活動はペースダウンする傾向にある、と発表されています。
dodaが発表した「業界・職種別の求人数の増減予想」は以下のとおりです。
- 増加:建築・土木、人事、法務、販売・サービス、事務・アシスタント
- 変わらない:IT・通信、電気・機械、金融、メディカル、営業、企画・マーケティング、クリエイティブ
- 減少:経理、化学・素材
2020年の夏を目安に、事業展開のための人材獲得による売り手市場が続いていましたが、2020年の夏が近づくにつれて、求人ニーズをペースダウンする企業が多くなります。
さらに、この状況に新型コロナウイルスの影響が重なっているので、企業の採用活動の縮小に拍車をかけています。
実際に2020年に入ってから、大手求人メディアや人材紹介に登録する企業が大幅に減っている状況です。
このような状況では、20代の若手人材でも、市場価値が低い人たちは転職を成功させるのが非常に困難になります。
土日休みがいい、年間休日120日以上がいい、残業はしたくない、給料はたくさんしたい、楽な仕事がいい、という要望ばかりを並べた転職活動をしている人たちは論外ということです。
転職市場において、自分の価値がどれくらいあるのかを把握した上で転職先を選ばないと、どこにも転職できません。
売り手市場は嘘!誰でも転職先を選べるわけじゃない
2019年には転職市場は「売り手市場」といわれていました。
これは、2019年8月に厚生労働省が発表した有効求人倍率が1.59倍だったからです。
有効求人倍率とは、ハローワークで1人の求職者に対して、どれだけの求人があったかを示す数値です。
有効求人倍率が1より大きいと売りて市場といわれ、1より小さいと買い手市場といわれます。
過去の有効求人倍率のピーク値は、バブル期の1990年7月の1.46倍でしたが、1.59倍はそれをはるかに上回る数値です。
そのため、新聞やテレビなどのメディアが「バブル期以降最高の売り手市場」などと報道し、求職者たちもそれを鵜呑みにしていました。
しかし、実際は「誰でもどこにでも転職できる」という状況ではありませんでした。
売り手市場というのは、あくまでもハローワークに登録する求職者と求人企業の数値の話で、実際はハローワークを使わない求職者も多いですし、ハローワークに求人情報を開示していない企業も多いです。
売り手市場は提供価値の低い人材には当てはまらない
20代なら未経験でも様々な職種にチャレンジできるのは事実です。
しかし、業界未経験や職種未経験などの人材を採用してくれる求人は数が限られている、というのも事実です。
僕が実際に転職エージェントのキャリアアドバイザーに聴いた話だと、転職者に紹介できる求人のうち、業界未経験&職種未経験の求人の割合は全体の47%です。
つまり、求人の半分以上は、何かしらの経験が求められるということです。
ちなみに、学歴や経歴別の求人割合は、非大卒OKが34%、高卒OKが31%、転職回数4回以上が24%になります。
売り手市場といっても、20代全員がどの企業にも行けるという状況ではないのです。
たとえば、TOEIC800点以上、営業経験3年以上、前職で実績を残せた人、〇〇業界の経験がある人、〇〇の資格がある人、などの応募条件を設けている会社も多いのです。
ですから、普通レベルの20代は、自分の立場を売り手市場だと勘違いしてはいけないのです。
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売り手市場でも企業が人材を採用しない本当の理由とは?
世間では「売り手市場」や「人材不足」といわれていました。
しかし、実際の企業のホンネは「人は必要だけど欲しい人がいない」です。
企業が求める人材のレベルは一定以上なので、その基準を満たさない人材は全員落選します。
そのため、転職市場に人はいるけど、欲しい人がいないという状況が続いているのです。
つまり、いまが売り手市場だと感じられるのは、20代でも一部の優秀な人材だけだということです。
厳しい言葉に聞こえるかもしれませんが、何のスキルも経験もない20代を欲しがっている会社は、そんなに多くないということです。
売り手市場は嘘だと主張する前に自分の市場価値を理解しよう
転職活動を成功させるために重要なのは、自分の市場価値がどれくらいかを理解しておくことです。
20代で、経験もスキルもないという方が、応募できる求人は限られています。
代表的な職種だと、営業職、インフラエンジニア、施工管理、警備員、飲食店、販売員、タクシードライバ―、倉庫作業員、介護職、などです。
自分が応募できる求人の給与を調べれば、自分の市場価値がわかります。
20代の未経験人材の場合、企業から提示されるのは、年収250~300万円ぐらいが相場です。年収350万円あったら、かなりいい方ですね。
つまり、20代のあなたの市場価値は、年収250~300万円程度だということです。
売り手市場でも企業は未経験者を採用するリスクを恐れる
このように求人票に掲載されている給与額は、企業側が未経験のあなたに対して支払える限度額です。
未経験人材の採用は投資と同じなので、入社後、その人材が伸びるかどうかを、ポテンシャルのみで判断しなければいけません。
求職者たちは、面接で猫をかぶっている場合も多いので、採用担当はそれを見抜くのに必死です。変な人を採用したら自分の評価に関わりますからね。
企業側も従業員を一度採用したら、毎月給与を支払い続けなければいけませんし、もし期待値以下の人材だったとしても、企業都合では簡単に解雇できません。
企業側は未経験人材の採用に対して、そのようなリスクを負っているので、入社当初のタイミングでは、最低限の給与しか支払えないのです。
売り手市場は嘘だと思って自分の市場価値を高めることに集中しよう
普通の20代の人たちの市場価値は「250万円~300万円」が相場です。
しかし、同じ20代でも、年収400万円、500万円、1000万円、それ以上に稼いでいる人たちもいます。
この人たちと普通の人たちとの違いは、市場価値の高さの違いです。
ですから、普通の20代の人たちが、まずやるべきなのは「自分の市場価値を高めること」になります。
現在の市場価値が年収250万円程度なら、まずはそれを受け入れることから始めましょう。
その後、どうすれば自分の市場価値が高くなるかを考えて、そのための行動をしていくというのが大事です。
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自分の市場価値を高めるための3つのステップ
自分の市場価値を高いめるための3つのステップを紹介します。
まずは、自分の市場価値を、いつまでに、どれくらいに高めたいのかを考えます。
そして、それを達成するために、まずはどんなスキルや経験を身に付けておくべきかを洗い出します。
最後に、自分が欲しいスキルや経験を身に付けられる職種を決めて、その職種を募集している企業に応募するのです。
この3つのステップを実践すれば、確実にあなたの市場価値は高くなります。
20代が市場価値を高めるには営業職がおすすめ
では、20代の方が市場価値を高めるためには、具体的にどんな職種がおすすめなのか?
それは「営業職」です。
まず、営業職は応募条件のハードルが低いです。
未経験OK、資格不要、高卒以上OK、などの条件で求人募集している会社が多いです。
また、入社後も、本人のやる気次第で、給料が上がりやすいです。
営業職は、実績が売上という数字で表されるので、ほかの職種と比べると、会社側も評価がしやすいのです。
ですから、営業職は給料を上げやすい職種、つまり、市場価値を高めやすい職種だといえます。
さらに、これからの時代は、終身雇用制度崩壊や45歳大量リストラなど、会社員が安泰という時代ではありません。
そのため、誰しもが、フリーランスや起業という選択肢を持つようになります。
そうなったときに、確実に営業職で身に付けた営業スキルが活きることになります。
このような点から、20代には営業職がおすすめだと考えていますが、最後に決めるのはあなたです。
あなたは市場価値を高めるために何をしますか?

【まとめ】売り手市場が嘘な理由
今回のまとめです。
- 売り手市場は嘘である
- 売り手市場でも転職先を選べるわけじゃない
- 普通レベルの20代は売り手市場だと勘違いしちゃいけない
- 「人は必要だけど欲しい人がいない」が企業のホンネ
- 自分の市場価値がどれくらいかを理解しておく
- 未経験者を採用する企業側はリスクを負っている
- 20代は自分の市場価値を高めることを考える
- 市場価値を高めるために3つのステップを実践する
- 20代が市場価値を高めるには営業職がおすすめ
転職を成功させるポイントは、他責ではなく自責でものごとを考えることです。
外部環境や時代の流れを個人でコントロールすることはできないので、何が起きても対応できるような準備をしておくことが重要です。
そのためには「個人として何ができるか?」を軸にして人生を設計するのがおすすめです。
